小網町短信

第16回 2019.12.27

塚田芳夫会長に第64回「映画の日」特別功労章

 

11月29日、第64回「映画の日」中央大会の式典がグランドプリンスホテル高輪にて開催され、
映文連会長の塚田芳夫氏が映画監督の新海誠氏とともに特別功労章を授与されました。

 

Ⓒ第64回「映画の日」執行委員会

 

「映画の日」は、1896年に神戸市において日本で初めて映画が一般公開されたのを記念して、1956年に日本映画連合会(現・日本映画製作者連盟)が制定した記念日で、今年64回目を迎えます。式典では、日本映画界の各団体が多年にわたり日本映画に貢献してきた人々に対し、永年勤続功労章や特別功労章が贈られます。

 

Ⓒ第64回「映画の日」執行委員会

 

塚田会長は、電通映画社に入社以降、数多くの広報・展示、博覧会、プロモーション等の映像企画、演出、プロデュースに携わり、優れた業績を残すとともに、製作指揮として手掛けた日加露合作IMAX映画『老人と海』は、第72回米国アカデミー賞・短編アニメーション部門を受賞。2003年映像文化製作者連盟 副会長に就任すると、日本で唯一の産業・文化映画の短編映像祭「映文連アワード」を創設し、プロフェッショナルの仕事に相応しい作品を発掘・顕彰すると共に時代を担う新しい才能の発掘に寄与。2010年映文連会長に就任以降、多くの映像関連団体の要職につき、わが国の映像文化の発展を支え、映画界へ貢献にしたとして特別功労章を贈呈されました。

 

もう一人の特別功労章は、新海誠氏。2002年に初の劇場公開作品『ほしのこえ』を発表し、その後『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』など話題作を次々に制作し、2016年公開の『君の名は。』は国民的大ヒットとなり、最新作『天気の子』でも幅広い世代を熱狂的させ、旋風を巻き起こしている氏が、日本映画界に新たな自信と元気を与えてくれたとして表彰されました。

 

Ⓒ第64回「映画の日」執行委員会

塚田会長は、「この度の表彰に心より御礼申し上げます。少し私的なことからお話させて頂きますと、私は終戦の時に生まれました。至る所が焦土となり、日本がリセットされた時代に育ち、当時は大した娯楽もありません。私の楽しみは、ひたすら「本」であり、「映画」でした。因みに当時の私のアイドルは、「ガモフ」と「ゴジラ」でした。私は「知恵」を本に学び、「夢」は映画に学んだ、と言っても過言ではないと思います。

それが、ひょんなことから、「映画」の仕事に従事することになりました。ただ、それは「ノンシアトリカル」と呼ばれる領域でした。それから、あらゆる「短編映像」の演出やプロデュースを手掛けてきましたが、やがて「世界の多様性」を映し出す「短編の力」に気づいて、「ショートフィルム・ルネッサンス」を掲げて、映像祭やTANPEN(短篇)塾を立ち上げ、次世代の多様な才能や、新たな「夢」を発掘することを推進してきました。

そうしたことを、映画人の皆さまに評価していただいて、思いもかけぬ表彰状まで頂戴して、感無量です」と挨拶しました。

 

Ⓒ第64回「映画の日」執行委員会

事務局

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