『短編映像の可能性を拓くー「映文連アワード」15年の軌跡』
2023年6月14日に、平凡社より『短編映像の可能性を拓くー「映文連アワード」15年の軌跡』
(四六判上製 300頁)が発刊されました。
当連盟理事で前事務局長の中嶋清美氏の視点から、「映文連アワード」の成り立ちから今日に至るまでが
記された書籍です。
当連盟の創立70周年というタイミングで当連盟の中核事業である「映文連アワード」をテーマとした
こうした書籍が刊行されることは誠に意義深いものがあり、創立70周年事業の一環として本書籍を
頒布いたしました。
書籍『短編映像の可能性を拓く―「映文連アワード」15年の軌跡』
「キネマ旬報」10月号に本書籍が取り上げられました
「キネマ旬報」2023年10月号の「映画本のある生活」のコーナーで、映画作家 安藤紘平氏が本書籍を取り上げて
くださいました。
まず、映文連アワード自体についてご紹介をいただき、映像祭はなくてはならないものであり、映文連アワード
から世界にはばたいていった方々も少なくない、と取り上げてくださいました。また、本書籍については、
“現在の日本の全容を凝縮したもの”と評価いただいております。
キネマ旬報編集部と安藤紘平氏のご許可を得て、当該部分を転載させていただきます。ご一読いただければ
幸いです。
転載:『キネマ旬報』2023年10月号P165
著者からのメッセージ
この本は、私が映文連事務局長を務めた12 年9ヶ月とその後の2年余を加え、2007〜2022年まで
「映文連アワード」15年の歩みを4期に分けて振り返っています。
映文連アワードには、毎年約30本が受賞しており、15年間で受賞作品総数は471本に及びます。
本書では、最優秀作品賞(グランプリ)を受賞した作品を中心に特色のある作品を1年に1作品取り上げ、
受賞作の魅力を書き記すとともに、パーソナル・コミュニケーション部門で受賞した若手監督の
作品を紹介し、短編映像の面白さを伝える内容となっています。かなりリアルに書いたところも
ありますが、映像祭の運営を担った裏方の奮闘ぶりを読みとってもらえれば有難いです。
本の表紙にはファンタスティックで美しい子どもが描かれていますが、装丁は映文連アワード2016、
2018年のポスターを担当したアートディレクターの島峰藍さんです。
この子の不思議な渦巻く髪は、実は“ハロ”をイメージしています。ハロは太陽や月の周りにできる環
=虹のような光で良いことがある予兆、幸運が近づいてくるとも言われています。
この本が手元に渡った皆さんにも多くの幸運が訪れるよう願っております。
(中嶋清美)
目次
はじめに
映文連とは/放送界からの出発/映像への夢捨てがたく/いちからの再出発−−映像制作の現場へ/
映像ディレクターとして/つくる立場から転じる
第1章 「映文連アワード」とは
なぜ「短編映像祭」なのか/映像祭立ち上げの背景/「映文連アワード」開始へ/映文連アワードの
審査/映像祭の運営
第2章 「映文連アワード」の歩みⅠ 草創期 2007〜2010
第1回「映文連アワード2007」
プロフェッショナルのための映像祭/走りながら整えていく/受賞作を選ぶ/第1回最優秀作品賞
(グランプリ)の決定/準備に奔走し、迎える表彰式
第2回「映文連アワード2008」
二つの大臣賞を設ける/ドイツのWorldMediaFestivalsへ/世界は、短編の中にある。
第3回「映文連アワード2009」
“imagine”/審査に10段階方式採用/初の個人賞にEdmund Yeo(エドモンド楊)氏/国境を越える
短編映像の可能性
第4回「映文連アワード2010」
公益社団法人としてスタート/“夢も想像力もメガ盛り”/九〇歳の現役俳人 金子兜太氏の
ドキュメンタリー/札幌と沖縄で初の地方上映会
Column1 作品募集とポスターデザイン
第3章 「映文連アワード」の歩みⅡ 展開期 2011〜2015
第5回「映文連アワード2011」
東日本大震災の発生/“このほしの このくにの このまちの あなたと。”/「はやぶさ」の地球
帰還を描く/新しいHP開設と表彰式での試み/染織家の志村ふくみさん上映会に/五周年特別上映会
−−映像が“記憶”すべきもの/事務局、日本橋小網町へ移る
第6回「映文連アワード2012」
デジタル時代の到来/“この時代を…、愛している。”/戦災体験者の証言を記
録する/国立新美術館での表彰式/制作者は3.11とどう向き合ったか/震災復
興支援 仙台上映会と札幌上映会/人材育成セミナーTANPEN(短編)塾の開始
第7回「映文連アワード2013」
“ゆめまくひと” /全編3D制作したドキュメンタリー/六〇周年記念特別上映会
第8回「映文連アワード2014」
“あらたな 物語が はじまる”/「宇宙への憧れ」を物語る企業映像/
Facebookを始める/女性たちが短編映像をもっと面白くする?!
第9回「映文連アワード2015」
“明日をみつめる。記憶をつたえる。”/優れた「わざ」を浮かび上がらせる作品づくり/
渋谷・ユーロライブでの初上映会/若手監督が語る「映像の可能性を求めて」/沖縄上映会
Column2 上映プログラムを組む
第4章 「映文連アワード」の歩みⅢ 成熟期 2016〜2019
第10回「映文連アワード2016」
“創造力は、永遠の航海である。”/初のi賞(個人賞)に八代健志氏/この10年 10のまなざし
~Ten years, ten views〜
第11回「映文連アワード2017」
“EUREKA(われ、発見せり。)”/出産をテーマにアニメーション/アニメーション特別上映会
「大藤信郎を継ぐもの」
第12回「映文連アワード2018」
クロッシング/高精細8Kによる新たな生命科学映画/玉川奈々福さん、上映会トークに登場/
中之島会館での初上映会/『ニジェール物語』原作のフクダヒデコさん、札幌上映会に登場
第13回「映文連アワード2019」
世界劇場×百花繚乱/「ひと夏の群像劇」で“粋”を伝える/人生の選択をも左右する企業映像/
塚田芳夫氏に特別功労章/文部科学大臣賞を受賞しての札幌上映会
Column3 製作者の思いが溢れる表彰式
第5章 「映文連アワード」の歩みⅣ 転換期 2020〜2022
第14回「映文連アワード2020」
Dig(掘り起こす)/映像制作ガイドライン作成と事務局長退任/『ごんきつね』に新たな解釈を
加えたアニメーション/コロナ禍での表彰式と上映会
第15回「映文連アワード2021」
Reborn(新生)/Web作品の応募増える/歌舞伎の舞台裏に迫るドキュメンタリー/市川海老蔵さん
表彰式に登壇/上映会トークをYouTube公開
第16回「映文連アワード2022」
Timeless/石ノ森章太郎の漫画『ジュン』を題材にしたアートアニメーション/短編は「多様性」を
表す/製作者の背を押して
Column4 地方上映会(札幌)
第6章 若手監督たちの活躍
新しい才能を見いだす/ジャンル・国境をこえて/共感を呼ぶ物語を/
感覚を研ぎ澄まして/海外留学からの出発/活躍する女性監督たち/卒業制作を出発点に/自主製作と
委託製作の間で/等身大の若者を描く/海外へ飛躍するアニメ作品
第7章 変わるメディア環境と映像祭の課題
変わるメディアと短編映像/利用状況の変化/映像制作環境の変化/
オンライン授業、コロナ禍で加速/映像祭運営の課題/認知度は上がったか?/観客層の課題/
運営資金について/国際化について/幕を閉じる映像祭/映像祭に求めるもの、求められるもの/
どのようにバトンを渡していくか/映像祭のこれから/短編映像の可能性
おわりに
映文連アワード ポスター・キャッチコピーの変遷
映文連アワード主要受賞作品一覧
ご注文は、下記注文書より事務局宛てメールまたはFAX願います。
mail: info@eibunren.or.jp
FAX:03-3662-0238
価格 1冊 3,520円(本体3,200円+税)
※恐れ入りますが、送料実費はご負担願います
→『短編映像の可能性を拓くー「映文連アワード」15年の軌跡』チラシはこちら
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